K’s blog

日系SIer → 外資戦略コンサル → 日系電機メーカー → ロボットメーカー、というちょっと転職回数多めの筆者が、雑学・ビジネス・政治経済・趣味のマンガについて語るブログです。

137億年の物語①

ちょっと古いけど、子供が中学生か高校生になったら絶対読ませたいと思った本。もしくは、中学か高校の時に読みたかった。

過去ベスト10に入る良書だと思う。

137億年の物語

つぎはぎだった宇宙物理、地質学、生物学、歴史と科学、がシームレスに時系列で繋がるのが快感。

全ての進化・進歩・変化は、環境変化や戦争などのストレスから生き延びるための必然、という説明がとても納得。

生物の陸への進出、農業開始、大航海時代清教徒の北米移住など。

また歴史も西洋中心史観じゃないのがいい。

以下、気に入ったトピックを何回かに分けて羅列してみます。

これでもさわりだけなので、是非本を読んでみてください。

太陽は比較的若い恒星(46億年前)。ビッグバン直後の初世代恒星は構成要素がまだ水素とかヘリウムなど軽い(単純な)原子のみ。これが燃え尽きて超新星爆発をしたとき、そのエネルギーで他の有用な重い元素が生成。これを繰り返して今の太陽系に至る。

月は地球にもう一つの原始惑星が衝突して、その破片が集まって出来たもの。この衝突した原始惑星が鉄をたくさん含んでたから地球には磁場が生まれ、太陽風(高エネルギー荷電粒子)を防ぐことが出来た。また、月は地球の自転を安定させた。(衝突前は一日4時間)

この衝突がなければ生命は進化しなかった。

(火星や金星は鉄の核を持たないから磁場もなく、生物もない)

有性生殖による多様化で進化の速度が劇的に上がった。生命誕生から微生物まで25億年かかったが、そこから今まではその半分未満の10億年。有性生殖は他のバクテリアに食べられたバクテリアのDNAが消化プロセスを生き延びて捕食者の核の中に残ったのが始まり。

最大の生物は菌(キノコ)。オレゴン州に9平方キロ600トン2400歳の同一DNA個体のオニナラダケの菌床あり。

菌、植物、動物の協業による内陸への勢力拡大。

菌と植物が上陸。植物の根に菌が入り込み、地中に菌糸を伸ばして養分を効率的に吸収(菌根)。密生した中で光合成出来る様、自立可能な組織「木」を発明。その後さらに効率的なソーラーパネルの「葉」を発明。酸素濃度が上がって、動物も陸に上がれる様になった。)

この段階ではまだ胞子を風で飛ばしてたため、水辺のみで棲息。次に恐竜が出た頃に種子を発明して、たまに雨が降るだけの乾燥地域にも進出。植物も有性生殖を発明して進化加速。植物の交配は自力では出来ないため、昆虫が運んだ。

花の発生は結構新しいが、昆虫を集めて効率的に繁殖する技術として一気に普及。

花とハチは共同で進化。

果実も植物勢力拡大ツールの一つ。

植物は栄養を提供し、昆虫・動物は移動を提供。主な方法は動物に食べてもらって栄養素である排泄物と一緒に遠くに運んでもらうというもの。他に、ココヤシの様に漂流を使うものなど。

動物に頼らず風だけを使う稲などは花は小ぶりにしてエネルギーを節約。

ハチは地球初の社会性を築く。分業、利他行動、コミュニケーション(ミツバチダンス)、新たな巣の場所を多数決で決める、など。

アリの社会性もすごい。フェロモンでコミュニケーション、カースト制度、女王が弱ると次の女王を立てる準備始める、他種族を捕まえて奴隷にする、食料の探し方・運び方を先輩が後輩に教育する、など。あと、砂漠で迷わない様に歩数を覚えてるものも。

恐竜が隕石で絶滅した後、哺乳類の時代が来たが、その多様化を加速させたのは大陸の分断(プレートテクトニクス)。それぞれの大陸でガラパゴス化

インド大陸ユーラシア大陸にぶつかってヒマラヤ山脈が出来、インド洋で蒸発した水分がこれにぶつかって雨が降り、大気中の二酸化炭素を減らして地球を冷却。過去4000万年地球を冷やし続けてる。

気温が低くなると森林が減って草原が増え、見通しのきく場所での生存競争が激化。

草原の拡大は当時二足歩行を始めていた人類の祖先には有利。二足歩行の方が移動の消費エネルギーが小さく長距離移動に効率的。二足歩行の結果、歩きながら食べる、食料を運べるなども可能に。でもって手を器用に動かす事が生存に有利となって脳が発達。

 

ここから人類史に入るので、続きはまた来週。