K’s blog

日系SIer → 外資戦略コンサル → 日系電機メーカー → ロボットメーカー、というちょっと転職回数多めの筆者が、雑学・ビジネス・政治経済・趣味のマンガについて語るブログです。

137億年の物語④

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本
137億年の物語
の紹介の続き。古代史その3です。

ローマはモノマネが得意で乱暴な民族が築いた帝国。後半は如何に広大な領地と権力を維持するかに苦労。そのうちの一つの手が貧民と奴隷を土木工事に駆り出し、富裕層が楽しむ施設を作らせるというもの。特に水道に注力。例えば50キロの距離で高低差たった17mといった高度な技術も。その間には長さ275m高さ50mの水道橋も。すげー。
ローマは水道や雨どい、鍋釜まで鉛を多用。その結果、鉛中毒がはびこるがローマ人は気付かず。ローマ人の骨には鉛が他の時代の10倍含まれている。鉛中毒は精神異常ももたらす。ローマ皇帝が精神異常をきたしていた証拠は多数あり。へぇ〜。
ローマ時代の中、キリスト教出現。ローマの支配が抑圧的で精神性に欠けてたところを貧民向け宗教のキリスト教が埋めた。ローマは最初、キリスト教を迫害してたたけど、300年頃、無理と諦めて後に国教へ。これがキリスト教が普及した最大の転機。
しかもその後ローマはキリスト教以外を弾圧。なんじゃそりゃ。
(しかし、あんな難解&嘘臭い宗教がよく普及したよな…。難解が故に一部階級に独占出来たってのが強いのか。仏教も最初の姿から随分変わって複雑化&仰々しくなっちゃったし。それらに比べてイスラム教のシンプルなこと。そりゃ普及するわ。)

ローマの基本構想は富める支配階級の際限無い欲求を満たすためにひたすら経済成長を求めたというもの(今とあんま変わんない気がする)。敵国の技術や思想を取り込み、貧民を兵士にしたり土木工事に使って押さえつけ、市民を見世物や宣伝で支配。戦争で他国の財宝を得られなくなったら銀や鉛など地下資源を利用。そして少数派に過ぎなかった宗教を乗っ取って国教とし、他の宗教を徹底弾圧。こうして崩壊を引き延ばしたが、ゲルマン民族やモンゴルのフン族の来襲、鉛中毒、疫病(ペスト)、などが重なって滅亡。
以降、ヨーロッパは1000年位苦しむ。

次はその詳細です。もうグチャグチャ。この時代のヨーロッパに生まれなくてよかったと心底思う。