K’s blog

日系SIer → 外資戦略コンサル → 日系電機メーカー → ロボットメーカー、というちょっと転職回数多めの筆者が、雑学・ビジネス・政治経済・趣味のマンガについて語るブログです。

137億年の物語⑥

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本

137億年の物語

の紹介の続き。古代史その5(ラスト)です。


中国の発展

紙は100年頃中国で発明されたが、その製法は600年以上も秘密とされてオリエント、ヨーロッパには伝わらなかった。中国文化は紙が支えた。書物・官僚制度・ペーパーテストによる人材登用など。さらに木版の印刷技術も発明。ちなみに活版印刷は1450年頃のグーテンベルクよりずっと前、1040年頃に中国で発明済みだったが文字数の多い漢字では普及せず。1000年頃には紙幣も発明。(ヨーロッパで紙幣が生まれたのは1661年)

100年頃に羅針盤、850年頃に火薬を発明。

1000-1200年頃、気候変動でユーラシアステップの環境が厳しくなり、モンゴルの遊牧民が侵略者に。丁度1200年頃にチンギスハンが長となって気候変動で苦しんでいたモンゴルの部族を統合。チンギスハンの能力もさることながら、団結して他国を侵略しなければ生き残れない、という環境・タイミングがあったればこそ。中国の北部王朝を攻めたときはイスラムの攻城兵器を利用。中国北部の次はイスラムの東、ロシア、中央アジア、中国東南部、と史上最大の版図。

ヨーロッパを攻めなかったのは、これから攻めようというときにたまたま王が落石で死んで、指導者が呼び集められたから。それがなければまず征服されてた。その頃のヨーロッパは病気と飢饉と戦争で疲弊した中世。マルコポーロが見た中国は、この大繁栄したモンゴル族王朝の元。

 


1200年頃にはイスラムは世界の文化の中心に。アラビア数字の算術、代数学、医学、光学、天体観測機、ギリシア文明はイスラムで保存。イスラムは中国からも紙の製法、羅針盤、火薬などの技術を取り入れて科学を進化させた。それらが中世でくすぶってたヨーロッパに十字軍で逆輸入されて大航海時代へ。

 


中南米では5000年程遅れて農業開始。独自の文化を築いたが、馬などの大型動物がいない、という致命的なハンディがあった。

大型哺乳動物(馬とか牛とか)がいない→軍事力の大きな差なし。家畜がいないのでトウモロコシなどの作物だより=雨乞いの方が重要。伝染病に免疫なし→車輪発明されず。硬い鉄も発明されず、柔らかい貴金属で主に信仰用。天然痘で人口4割減→西洋文明にすぐに滅ぼされた。


次は近代です。