137億年の物語⑦
子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本
の紹介の続き。近代です。
1490年、コロンブスがカリブ海の島々と南米ベネズエラ、パナマに到達(北米大陸には辿り着けず)。コロンブスのおかげで大西洋の風の流れが解明。ヨーロッパの二大列強となったスペインとポルトガルが競って海外に領土拡大。1494年にはトルデシリャス条約(大西洋の真ん中から東側をポルトガルの、西側をスペインの土地、とする)を交わす。要はアメリカはスペインのもの、アジアはポルトガルのもの。これには教皇が大勅書を発行して神の承認というお墨付きまで付けた。なんじゃそりゃ。ちなみに1506年に廃止。
奴隷を運ぶのではなく、現地でサトウキビを栽培するプランテーション農業が誕生。サトウキビは高価だが人手がかかる。奴隷利用にうってつけ。大きな利益を生む。
1498年にはヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰経由でインドに到達。ポルトガルはアラビア、インド、インドネシア、日本にまで入植。1509年にオスマン帝国の艦隊に圧勝して海の覇権を握る。
中南米ではスペインが侵攻して疫病を流行らせ、奴隷を酷使し、殺戮の限りを尽くした。先住民は200万人から1億人死亡。でもその内9割は実は疫病。
1520年、とうとうマゼラン(の一行)が世界一周。ポルトガルが海に進出してから100年も経たず。
宗教改革とスペインの没落
神聖ローマ帝国皇帝カール5世=スペイン王カルロス1世。スペインが最強だったが、その他の国々はスペインがヨーロッパの覇者となるのを食い止めたかった。
各国の繁栄は海運力に依存。木材が最重要物資だったが1520頃にはすでに不足。スペインには良い木は生えていなかった。スペインはライバルが木材を手に入れられない様、ヨーロッパの北と南を統合する戦いを繰り広げるが、損害大きく衰退。
ローマ教皇庁の腐敗への不満は印刷技術のおかげで全土に広がり宗教改革へ。各国はこれを利用。プロテスタントを奉じれば神聖ローマ帝国に武力対抗することを正当化出来た。ネーデルランド、デンマーク、スウェーデンはプロテスタントに。フランスはカトリックとプロテスタントの間で揺れて内戦。イングランドも17世紀まで揺れて内戦もし、最後はプロテスタントに。
この頃、カリブ海には各国の海賊出没。でも襲われる側から見た海賊も、本国に戻れば英雄。(え、そーなの?)
スペインの無敵艦隊もイングランドやネーデルランドに負ける。スペインはいち早く海外に帝国を築くも、軍備拡張と宗教戦争で力関係は塗り替えられて行った。スペインは海外で得た富を投資せず戦争に注ぎ込んだため最後は借金まみれ。1650年、30年戦争が終わり、ネーデルランド独立とスウェーデン領地拡張を認め、ヨーロッパ北部の覇権確立を断念。この時、ヨーロッパでは国家に主権を認める国家体制が築かれた。(神聖ローマ帝国や教皇は口出し出来ず)
南米原産のジャガイモがヨーロッパで食料不足を解消。しかし、ヨーロッパで育てたのは4種のみだったため19世紀に疫病が広まって大飢饉になり、多数の人がアメリカとオーストラリアに移住。
三角貿易(アメリカから砂糖・タバコ・毛皮・木材をヨーロッパに運び、その資金でアフリカ人の族長が捕らえた別部族の奴隷を買う。奴隷の代金は銃や火薬で支払われたのでさらに多くの奴隷を捕まえられる様に。そして奴隷をアメリカで売る。)でヨーロッパに富を蓄積。
人口も倍増。ルネサンスがイタリアからヨーロッパ全土へ。植民地の農作物がヨーロッパの生活を変え、科学も進歩。