K’s blog

日系SIer → 外資戦略コンサル → 日系電機メーカー → ロボットメーカー、というちょっと転職回数多めの筆者が、雑学・ビジネス・政治経済・趣味のマンガについて語るブログです。

137億年の物語②

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本
137億年の物語
の紹介の続き。ここから人類史。

人類の祖先は数万年前にアフリカにいた一つの系統でたった数千人。これは現在の人類の遺伝的多様性が他の種に比べて著しく欠けていることが証左。結構な絶滅の危機に瀕してた。

石器時代の穏やかで幸せな暮らし。病気の大半はまだ生まれておらず、食物や天然資源が豊富で、所有権も上下関係もないから争いもない。一日3、4時間働けば仕事は終わりで、好きなだけ寝て好きなだけ休み、家族や友人と料理したり話したりダンスしたりして過ごす。
放浪生活のため所有物は持てるものだけ。個人所有という概念もなし。全てを自然と共有。
そういう生活で人類発祥から99パーセントの時間を過ごして来た。

狩猟採取生活がサステナブルだった理由は人口抑制と自然保護。周囲の食べ物が減ったら移動するので、元の土地が回復する。移動するには子供の数を減らす必要があるため、出産間隔を開ける。狩猟採取民は何万年もずっと500万人の人口を維持して増えず。

農耕・牧畜は狩猟採取に比べてずっと過酷。効率的になれば維持出来る人口は大きいが、そうなるまでは時間がかかる。初期の農民の骨は足の指が曲がり、膝も関節炎で変形。それなのになぜ農耕を始めたか? 気候変動に耐えるため。

最後の氷河期は、地軸の傾きと公転軌道の変化で急激に終わる。最後の500年では気温が7度、海水面が25m上がって、草原や森林が海に飲まれ、もしくは気候変動で砂漠化。土地によっては移動生活出来る土地が激減。
→肥沃な地域(エジプト、トルコ、古代メソポタミアあたり)に定住。
→その後、また突然氷河が海に溶けて塩分濃度が下がり、赤道付近からの暖かい海流が止まって今度はまた数十年で気温が下がって1300年位の亜氷河期(ヤンガードリアス)。踏んだり蹴ったり…
→狩猟採取だけじゃもう無理。仕方なしに労働大変だけど農耕スタート。人為的な品種改良や、食料不足に備えて蓄積。労働力確保として家畜も飼う
→家畜のせいで病気生まれる。病気に強いことが適者生存条件に。それ迄より乳幼児の死亡率が激増。
→亜氷河期が終わっても、農業を覚えた人類は後戻り出来ず。農業で増えた人口は狩猟採取では維持出来ず。

ノアの箱舟洪水伝説は、紀元前5千年から2千年ごろに栄えたシュメール人ギルガメッシュ叙事詩にも類似の物語として記述。最後の氷河期が終わった時にペルシャ湾沿岸で起きた海面の急上昇に由来してそう。
ちなみに一週間を7日(5つの惑星+太陽と月)にしたり、60進法、桁が上がって行く数字の記述法、60秒で1分・60分で1時間・24時間で1日・12ヶ月で1年・円の全周360度を作ったのもシュメール人。車輪も発明。
バビロンはシュメールの中の1都市国家。有名なハムラビ法典の原則は今でも司法の基礎。法の内容を知らない事は言い訳にはならない、ってだけでなく推定無罪の原則(有罪が確定する迄は無罪扱い)なんて高度なものも。法典のおかげで暴力以外の支配手段・紛争解決手段を得た。
そんなシュメールが滅びた理由は環境破壊。何世代も集約的農業をした結果、表土の塩分濃度が高くなって作物が育たなくなり(塩害)、都市が衰退。

紀元前2000年紀初頭、ギリシャの火山大噴火で地中海沿岸の文明(エジプト、ヨーロッパ、メソポタミア)を襲い、ヒマラヤ山脈で起きた地震インダス川の流れが変わってインダス文明も消えた。
資源・食料が少なくなると争いが起こる。
災害の影響が小さかった遊牧民が台頭。馬、青銅製の武器、車輪付き戦車を使って侵略と征服を繰り返す。馬と金属と車輪は経済的不平等、社会的抑圧、軍拡競争のルーツ。

次は古代その2です。

137億年の物語①

ちょっと古いけど、子供が中学生か高校生になったら絶対読ませたいと思った本。もしくは、中学か高校の時に読みたかった。

過去ベスト10に入る良書だと思う。

137億年の物語

つぎはぎだった宇宙物理、地質学、生物学、歴史と科学、がシームレスに時系列で繋がるのが快感。

全ての進化・進歩・変化は、環境変化や戦争などのストレスから生き延びるための必然、という説明がとても納得。

生物の陸への進出、農業開始、大航海時代清教徒の北米移住など。

また歴史も西洋中心史観じゃないのがいい。

以下、気に入ったトピックを何回かに分けて羅列してみます。

これでもさわりだけなので、是非本を読んでみてください。

太陽は比較的若い恒星(46億年前)。ビッグバン直後の初世代恒星は構成要素がまだ水素とかヘリウムなど軽い(単純な)原子のみ。これが燃え尽きて超新星爆発をしたとき、そのエネルギーで他の有用な重い元素が生成。これを繰り返して今の太陽系に至る。

月は地球にもう一つの原始惑星が衝突して、その破片が集まって出来たもの。この衝突した原始惑星が鉄をたくさん含んでたから地球には磁場が生まれ、太陽風(高エネルギー荷電粒子)を防ぐことが出来た。また、月は地球の自転を安定させた。(衝突前は一日4時間)

この衝突がなければ生命は進化しなかった。

(火星や金星は鉄の核を持たないから磁場もなく、生物もない)

有性生殖による多様化で進化の速度が劇的に上がった。生命誕生から微生物まで25億年かかったが、そこから今まではその半分未満の10億年。有性生殖は他のバクテリアに食べられたバクテリアのDNAが消化プロセスを生き延びて捕食者の核の中に残ったのが始まり。

最大の生物は菌(キノコ)。オレゴン州に9平方キロ600トン2400歳の同一DNA個体のオニナラダケの菌床あり。

菌、植物、動物の協業による内陸への勢力拡大。

菌と植物が上陸。植物の根に菌が入り込み、地中に菌糸を伸ばして養分を効率的に吸収(菌根)。密生した中で光合成出来る様、自立可能な組織「木」を発明。その後さらに効率的なソーラーパネルの「葉」を発明。酸素濃度が上がって、動物も陸に上がれる様になった。)

この段階ではまだ胞子を風で飛ばしてたため、水辺のみで棲息。次に恐竜が出た頃に種子を発明して、たまに雨が降るだけの乾燥地域にも進出。植物も有性生殖を発明して進化加速。植物の交配は自力では出来ないため、昆虫が運んだ。

花の発生は結構新しいが、昆虫を集めて効率的に繁殖する技術として一気に普及。

花とハチは共同で進化。

果実も植物勢力拡大ツールの一つ。

植物は栄養を提供し、昆虫・動物は移動を提供。主な方法は動物に食べてもらって栄養素である排泄物と一緒に遠くに運んでもらうというもの。他に、ココヤシの様に漂流を使うものなど。

動物に頼らず風だけを使う稲などは花は小ぶりにしてエネルギーを節約。

ハチは地球初の社会性を築く。分業、利他行動、コミュニケーション(ミツバチダンス)、新たな巣の場所を多数決で決める、など。

アリの社会性もすごい。フェロモンでコミュニケーション、カースト制度、女王が弱ると次の女王を立てる準備始める、他種族を捕まえて奴隷にする、食料の探し方・運び方を先輩が後輩に教育する、など。あと、砂漠で迷わない様に歩数を覚えてるものも。

恐竜が隕石で絶滅した後、哺乳類の時代が来たが、その多様化を加速させたのは大陸の分断(プレートテクトニクス)。それぞれの大陸でガラパゴス化

インド大陸ユーラシア大陸にぶつかってヒマラヤ山脈が出来、インド洋で蒸発した水分がこれにぶつかって雨が降り、大気中の二酸化炭素を減らして地球を冷却。過去4000万年地球を冷やし続けてる。

気温が低くなると森林が減って草原が増え、見通しのきく場所での生存競争が激化。

草原の拡大は当時二足歩行を始めていた人類の祖先には有利。二足歩行の方が移動の消費エネルギーが小さく長距離移動に効率的。二足歩行の結果、歩きながら食べる、食料を運べるなども可能に。でもって手を器用に動かす事が生存に有利となって脳が発達。

 

ここから人類史に入るので、続きはまた来週。

自分が所属するコミュニティを選ぶことの重要性

他人の不幸は蜜の味&他人の幸福は飯がまずい、というのはは人間の本質。

例えば、
1. 自分は収入が5万ドルで他のすべての人は収入が2万5000ドルの世界
2. 自分は収入が10万ドルで他のすべての人は収入が20万ドルの世界
この質問に56%(過半数)が1を選んだ。
集団の中で食物を得て子孫を残すには、「周りの人よりも優れている事」が重要だったため。
近所の人よりも収入が少ない人は、絶対額に限らず自殺率が4.5%高い。なので幸せになるには自分が平均より優位に立てる集団や地域に属することが重要。
http://president.jp/articles/-/20185?display=b


一方で、人は周囲に刺激を受けて変わる面も大きい。

人は周囲の人の平均になる。どんな人の輪に入るかは自分で選べる。情熱を持った人々の輪を選ぶだけで人生が変わる。できないと思っていたことができるようになる。
TED TALK - How to find work you love
https://www.ted.com/talks/scott_dinsmore_how_to_find_work_you_love/up-next?language=ja

逆に「朱に交われば赤くなる」というマイナス面も同じ。

 

この二つの見解は一見相反するように見えるが、おそらく両方正しく、相互に影響してるんだと思う。

いずれにせよ、人間は社会的な存在であり、マズローの5段階欲求でも、上3つは所属する集団・コミュニティに関するものなので、この重要性は間違いなく高い。幸福な人生を送るための最重要事項とも言える。

 

で、ここから導かれるお薦めの人生戦略は、こんな感じではないかなと。
(※性格が合うとか愛情とかの、善し悪しを偏差値的に表現出来ない面は除きます。それは個人の趣味嗜好ってことで)

ロールモデルやライバルが居て、刺激を受けて成長出来る集団を選ぶ
●刺激を受けなくなったら卒業して別のコミュニティに移る
●頑張っても平均を超えられない集団に入ると辛いので、無理はしない
●人生のステージに合わせて、チャレンジ度・分散度を変える。最初は投資・探索モードで、チャレンジングに幅広くあちこち手を出す。自分に合ってるところを見つけたら、ウェイトを上げて成長に注力。成長が鈍ってきたら次の成長領域・ステージを探す。歳をとって来たら培ってきたものを活かせてかつ自身の自尊心も満たせるところに落ち着く
●一つでミスってもリカバリー・心の平穏を保つため、複数のコミュニティに並行して所属する


僕自身、転職3回して、ある程度これを踏襲出来てるかなと思いつつ、もっと早くジャッジしとけば良かったなぁとも思う今日この頃です。

 

英語学習について5(英語ネタの多分最後)

これまでの項目に入らなかったけど、きっと興味がある人もいると思うネタです。

【英会話スクール・語学留学ってどうよ】
ベルリッツにトータル100万円、オーストラリア3週間の語学学校通いを投入した結果得た結論は、

「無駄とは言わないがコストパフォーマンス悪すぎ」

スポーツに例えると、あれは練習試合みたいなもん。
初心者がいくら練習試合ばっかりしたって上手くならないでしょ?
プロスポーツ選手だって練習試合はたまにするだけでしょ?
やっぱり投げ込みとか走り込みとか素振りとか守備練習とか、個々の弱点スキルを徹底的に反復練習で鍛えるのが最も効率良いんですよ。

それらを磨いた上で、腕試し的に使うならありだけど、それにしたって、英会話喫茶とか、スカイプとか、もーちょいコストパフォーマンスの良い練習場所はいくらでもある。

もしくは、ひたすら基礎練した後、練習試合なしで実戦したって別に良いと思うから、ぶっちゃけ行かなくても十分、ってのが僕の感想です。

【その他、使える英語学習ツールなど】
個別の教材は「その3」に書いたけど、
● Studyplusという勉強記録&共有アプリ
https://www.studyplus.jp/about
「その4」にも書いた通り、英語学習はモチベーションが最重要の要素ですが、その継続に一役買うアプリです。
記録をつけ始めると、プレッシャーとご褒美の両面で適度に刺激を受け続けられる。
まぁこれだけでやる気が出るわけじゃないけど、足しにはなります。

● Lyrics Trainingという洋楽ディクテーションサイト
https://lyricstraining.com
洋楽を聴きながら、その歌詞をディクテーションするサイトです。
なんと言っても時間を忘れるくらい熱中するのが素晴らしい。
ビートルズとかディズニーとかカーペンターズとかの易しい綺麗なものがオススメ。それでも結構難しいですが。


僕自身もまだまだ修行中の身ですが、TOEIC500点〜800点くらいのレベルの方々にはきっと役立つの情報だったのではないかなと。

 

英語学習について その4

【効果的な英語学習法】

英語の学習効果は、

学習効果 = モチベーション × 投入時間 × 適切な勉強方法の選択による習得効率 × 才能(言うほど個人差は少ないけど)

という数式で表せる。
このうち、投入時間は、余裕時間 × モチベーション に分解出来るので、結局は

英語の学習効果 = モチベーションの二乗 × 余裕時間 × 勉強方法による習得効率 × 才能

となる。
つまり、一番重要なのは如何にモチベーションを保つか。 目標設定、興味を持つコンテンツ、必要な場に身を置く、外国人の恋人を作る、など色々あるが、個人差が大きいので、その内容はここでは割愛。

次に余裕時間だけど、これをどう捻出するか。
絶対的な余裕時間はその人の置かれている状況に依存してるから仕方ないとして、コントロール可能なのは、スキマ時間をどれだけ使えるか。で、これに一番効く要素は、やり始めるまでのハードルを如何に下げるか。

で、僕が辿り着いた結論は「スマホアプリ最強」。

通勤電車で使えるメリットがよく言われるけど、自分的には「布団から出ずにそのまま1秒で始められる」ってのが超デカかった。
夜寝る前、土日布団でもそもそしてる時、ほんの少しのやる気があればすぐに始められるこの利便性。
で、やり始めると15分〜30分はすぐ過ぎるから、かなり効率的に投入時間を増やせる。

勉強方法による効率は、前に述べた「いかに弱点にフォーカスするか」に尽きる。
素人がバッティング技術を伸ばす際、最も効率が良いのは素振り。いきなり打席に立ってもなかなか上達しない。同じ様に、語彙力が不十分な状態で英会話スクールに行っても非効率極まりない。
自分の弱点を理解して、そこに注力するべき。
何が弱点かわからない人は、多分語彙も文法も不十分なので、そこからスタートすれば良い。

才能については如何ともしようがないので雑談でしかないけど、確かに同じ勉強をしても習得スピードに差があると思う。特にリスニングとスピーキングは、歌の上手い人ほど上達が早い。後は記憶力の差かな。でもまぁ多少の個人差があっても、モチベーションと投入時間で十分リカバリー出来る。


長くなったけど、英語学習については次で最後です。

 

英語学習について その3

【それぞれの能力の上げ方】

●語彙
ぶっちゃけ何でもいいと思う。
文章を沢山読んで覚えるって技もあるけど、最初はやっぱり非効率。ある程度は一気に覚えて、その後は知らないものが出てきたら都度アップデートする、というのが一番良い。
情報を長期記憶にするのに必要なのは反復と関連付け。個人差はあるけど、1日1回×6日繰り返せば大体覚えて、その後1〜2週間後に見直す、くらいすると定着するイメージです。

あれこれ違う教材に手を出すのも実は悪くない。同じ単語なり熟語を、複数の場所で覚えるとさらに記憶に残るメリットもある。難点はお金がかかることくらいかな。

オーソドックスなのはDUO。
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TOEICに狙いを絞るなら、出る単特急金のフレーズとかがすごく効率的。TOEICに出てくる単語って少々偏りがあるけど、それを的確に狙い打ってる。スマホアプリもあります。
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スマホウィズダムとかの辞書アプリを入れて、重要度(★印)の多いものを頭から覚えるって手も結構有効。間違えたやつとか、本を読んでてわからなかった単語や表現にブックマーク付けるとか出来るし。

気をつけなくちゃいけないのは、短期間で詰め込んだものは短期間で忘れるから、定期的にアップデートすることが必要。

●文法
総合英語Forestが超オススメ。これさえ読んで理解すれば十分。
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受験英語を経験した人ならこれで多分色々思い出せるはずだけど、これを読んでもわからない人向けのオススメは知りません。ごめんなさい。

●発音知識
※基礎として語彙と文法をやった上で。
リクルートのスタディサプリが物凄くいい。最高。超オススメ。
https://app.eigosapuri.jp/ecp/
特に、音の連結や欠落、弱形、変化など、文章の中で文字表記と発音が全く違うことを丁寧に説明して、かつこれでもかってくらい演習が沢山ある。
僕はこれのおかげでTOEICのリスニング300点台から475点まで上がりました。
受験勉強はしたけど全然英語が聞き取れないって人はこれさえやれば良い。
日常会話版とTOEIC版があるけど、総合的に英語力を上げたいなら前者、純粋にTOEICの点を上げたいなら後者がおすすめ。

●構文理解力/構成力
※これも基礎として語彙と文法をやった上で。
多読・音読・多聴・シャドウイングが良い。「多読」「多聴」でググると山の様に元ネタ情報が出て来るから、好きなのを選ぶ。
ペンギンリーダーとか、ラダーとかの英語学習用の本から始めて、色んなのに手を出して、スラスラ読める/聞けるようになったら、少しだけレベルを上げて次へ進む。
個人差もあると思うけど、量が勝負。
リスニングものだと、ESLとかTED Talkとか。

で、どの能力についてもなんだけど、幅の広さ(知識の多さ)だけじゃなくて、適用スピードが非常に重要。ここが一番学習ではなく訓練(トレーニング)っぽい部分です。
例えば語彙なら、えーっととか考えて分かる様ではNG。0.5秒くらいでパッと出るくらいにするまでやるのがポイント。
多読だったら、分速何ワード読めるか、を測る。

TOEICは英語能力向上という点で、かなり偏ってるとは思うけど、実用英語でとても重要にも関わらず、日本人が受験英語で置き去った、「スピード」を重視してる点は、とても評価してます。


英語学習ネタ、もーちょい続きますね。

 

英語学習について その2

まずは理論編から。

 

【英語力の構造と基本方針】
英語力を分解すると、語彙、文法知識、発音知識(特に音の連結や弱形など文章中で変わるやつ)、構文理解/構成力、の基礎能力に分けられる。


で、それらの強さを測るのは幅の広さと適用スピード。


その発露結果がリスニング力・スピーキング力・リーディング力・ライティング力になる。

 

この時、総合的な英語力は、基礎能力の一番弱いところで決まる。

つまり、語彙が弱ければ他の全てが優れていても、語彙力に応じた英語力しか発揮できず、文法知識がなければ他の全てが優れていても文法知識分の英語力になる。

 

なので、英語力を上げるには弱点を重点的に強化するのが最も効果的。

 

いわゆる受験勉強が実際に使えないのは、基礎能力のうちの「発音の知識」と測定指標としての「適用スピード」が全く鍛えられていないため。なので、受験勉強はしっかりやってたけど英語が使えないって人は、この2つを重点的にすると英語力が上がる。

 

で、上げる順番は、
①最低限1500語(辞書で最重要マークのついてる単語)を覚える。それも、瞬時に出てくるレベルで。これは基礎中の基礎なので、スポーツやる上での走り込みと思ってとりあえずやる。これをやらずに他をやっても非効率。
②文法。マニアックなものは飛ばして基本を抑える。良い文法書を読むのが一番。
③発音知識か構文。これはどっちでもいい。好きな方から、もしくは交互にかな。

 

【学習と訓練の違い】
英語は、数学の様に理解すれば出来る様になる、という類のスキルではなく、スポーツの様に、繰り返しトレーニングをする事で鍛える類のスキル。
特に、受験英語で無視されるため大半の日本人が苦労する「適用スピード」の指標は筋トレや素振り、サッカーならリフティングなどと同じ感覚で、繰り返して鍛える必要がある。メカニズムとしては、繰り返す事で脳の神経細胞間の電気信号が伝わりやすくなる。
…このことに気づくまでかなり遠回りしました。

 

次回は具体的な教材や勉強方法を書きます。