K’s blog

日系SIer → 外資戦略コンサル → 日系電機メーカー → ロボットメーカー、というちょっと転職回数多めの筆者が、雑学・ビジネス・政治経済・趣味のマンガについて語るブログです。

WindowsからMacへの乗り替え

社会人になって20数年。

Windows 3.1からずーっとPCのOSはWindows一筋で、最初の十年はシステムエンジニアしてたから、超ヘビーユーザーだったんだけど、今の会社ではMacも標準PCだったんで、Macにチャレンジしてみることにした。

 

まず、切り替えの動機はこんなところから。

 

①起動・動画表示が速い

動画含む資料をプロジェクターに投影してプレゼンする機会が多いんだけど、他の人の動きを見る限りWindowsより断然速い。

後、やっぱWindowsは動作が不安定。これが解消される日はもう無いと諦めた。

 

②Windows10がクソ。Microsoftに未来は無いと判断

Windows10のUIが我慢ならなかった。これに慣れる努力をするくらいならMacに慣れる努力の方がずっと生産的だと思った。(例えどうしても慣れずに使うのを断念しても、その判断に必要なコストと言える。

あと、心情的にMicrosoftの利用者を無視したUI変更に抵抗したかった。XPで完成してたよ…。

Windows updateもどんどん重くなるし、Microsoftに未来はないと判断した。

 

iPhoneのUIが良かった

個人・仕事の両方を長年iPhone使ってて、Mac OSに慣れたのと、その使い易さに結構好感を持ってたんで、きっとMacも慣れれば使いやすいと想像した。

 

④タダでMacを試せる

Macの難点は価格だけど、会社のPCだからタダ。どうしても慣れなければWindowsに戻れる。

 

Mac使ってる人が「慣れたら困らない」と言ってた

 

⑤薄くて軽い

標準PCがWindowsはThink padで、MacMacBook Airだった。

 

 

で、使い始めたけど……。

慣れないから正直なかなか辛い。数日間は生産性が半分くらいに落ちちゃいました。

 

1. コピペ、元に戻す、Window切り替え、文字入力切り替えの、超頻繁に使うショートカットキーが違うのが辛い。

 

2. 変換の癖が違うのが辛い。n一個だと「ん」にならないし、ファンクションキーでの半角全角切り替えの動きが違うし…。

 

3. ファイルをEnterで開けない、Backspaceがない

 

4. Finderとエクスプローラよ動きの違い

 

5. タッチパッドの動きの違い

 

などなど。

結構苦しんでます。

初めてPC買った年寄りの気持ちが少し分かった。

でも、ここで諦めたらそれこそ年寄りの仲間入りになっちゃうんで頑張る。

 

今は、カスタマイズしてWindowsっぽくするか、慣れる方を取るか、試行錯誤中。

 

来週、その検討結果を報告します。

 

 

 

137億年の物語⑧

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本

137億年の物語

の紹介の続き。最後です。

 


病気が世界を渡る。1850年にアメリカからブドウの寄生虫がヨーロッパに渡って蔓延し、大打撃。これに対抗するため、アメリカから抵抗力のあるブドウの苗を輸入。今ある世界中のワインはこの苗に接木したブドウから出来ている。

 


1776年 米国独立、1789年フランス革命(人権宣言)、1791年ハイチ反乱(1804年にフランスから独立。初の黒人共和国)。その後、コロンビア、ベネズエラ、アルゼンチン、メキシコ、グアテマラエルサルバドルホンジュラスニカラグアコスタリカ、ブラジルが1822迄に独立。

 


フランス革命後、内戦。その間、悪名高い恐怖政治も行われた。人道的な処刑道具、ギロチン使用(火あぶり、腸抜き、不慣れな処刑人に斧で何度も首を切られるのに比べればずっとマシ)。共和制に反対する思想と疑われるとすぐギロチン。18千人が「自由に対する罪」で処刑。自由主義の二つのグループで対立し、権力を握る度に双方を多数処刑。もーぐちゃぐちゃ。この混乱をクーデターでおさめたのがナポレオン。

 


ヨーロッパ列強の国王・貴族はフランスの様な革命だけは避けたかった。そして個人の自由をうまく使う方法を発見。フランス革命以後、「個人の自由」を掲げるだけで簡単に兵を集められる様に。徴兵制と国民軍の誕生。それ迄、軍隊の維持には大量の資金が必要。また、銃が生まれる前は長期の訓練も必要なため、軍隊は小規模だった。なお、国民軍という考えを取り入れたのはナポレオン。

(そーだよなー、結局まだあちこちで国王とか貴族って残ってるんだよね。上手いこと生き延びてる。」

 


フランスは戦費を得るため西半球の植民地を殆ど売った。

 


アメリカの独立でイギリスは犯罪者を奉公人として北米に送り込めなくなったため、オーストラリアに送るようになった。

 


数百万人のアフリカ人奴隷を抱えるアメリカは経済的に優位に立っており、最も高い値段をつける国に物資を売れた。

市場原理誕生。

 


この頃は白人至上主義。19世紀末の偉大な発明が全て白人によるものであること、脳の容積が大きいことなどから発達。白人以外を断種すればより良い社会になるという本「偉大な人種の消滅」が売れ、ヒトラーも読んだ。1870年代には人間動物園でエスキモーが野生動物と一緒に展示され、パリやマルセイユ万国博覧会でもアフリカ先住民400人を見世物にした黒人村を展示。

(アフリカ、アメリカ、オーストラリア先住民へのヨーロッパ人の悪逆非道をちゃんと客観的に記述してる。こーゆーのは欧米の教科書に載ってんのかな。)

 


19世紀のヨーロッパが得た富は、アジア、アフリカ、アメリカ、オーストラリアの先住民の犠牲によるもの。アフリカ諸国は20世紀後半にようやく独立するも、土地は痩せ、資源は持ち去られ、経済は借金で破綻。さらに植民地の境界で伝統的な民族・部族は分解され、それぞれがヨーロッパ製の銃で武装

 


中国もボロボロ。最初は自給自足可能で貿易拒否。そこでヨーロッパは阿片を売り付ける。中国がこれを締め出そうとしたら1840年阿片戦争で負けて香港譲渡と多額の賠償金。この時キリスト教の布教も認める。10年後、キリストの弟と名乗る農民が新興宗教を起こして清に反乱。南京を首都とする太平天国樹立1853年。清は英仏の助けを借りて10年で内戦鎮圧。更なる不平等条約と借金。この内戦は第一次世界大戦以上の2~3000万人の史上最悪の軍事紛争。弱った中国は日本にも負け、韓国、台湾、ベトナムカンボジアなどの支配を失っていく。そして1900年農民「義和団」が再び蜂起して北京を占拠し、キリスト教中国人を殺戮、外国人を人質に。これを連合国が制圧、その費用として巨額の支払いを清にさせる。これは農民に新たな重税を課さなければ支払えない程の額、その結果10年もたたず清は弱体化して革命が起こり、中華民国成立。しかしその後も統治は安定せず内戦と外国による侵略が続いた。この中、共産主義で国土荒廃を解決しようとする毛沢東が台頭。(ロシアの共産主義国家という助走の後)

 


ロシア

日露戦争で負け、一次大戦でドイツに攻め込まれ、皇帝の威信は落ちていた。急速な工業化で都市人口は増えたもののまだ暮らしは貧しいところ、インフレ、食料不足、経済崩壊があり、革命勃発。レーニンが新経済政策で農業と工業を立て直したが、後継者のスターリンはひたすら工業化&恐怖政治。農産物を国家の財産として没収したため数百万人が餓死。

 


トルコの父、ケマル・アタルチュクの話、面白い。正しい独裁者。明治維新を手本に改革。

 


今の世界経済は中国の安い労働力とアラブの石油に支えられている。資本主義は民主主義がなくとも実現可能。

 


マルクスの亡霊。資本主義の終焉。

マルサスの亡霊。人口増加と環境破壊。

 

 

 

自分用の読書メモを元にしたから読み難かったと思います。

でも、ここまで読書メモが大きくなったのはこの本だけなので、本当に良書です。

教養の補強・アップデートに最高の本だと思うので、是非読んでもらえればと。

 

137億年の物語⑦

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本

137億年の物語

の紹介の続き。近代です。

 


大航海時代

1490年、コロンブスカリブ海の島々と南米ベネズエラパナマに到達(北米大陸には辿り着けず)。コロンブスのおかげで大西洋の風の流れが解明。ヨーロッパの二大列強となったスペインとポルトガルが競って海外に領土拡大。1494年にはトルデシリャス条約(大西洋の真ん中から東側をポルトガルの、西側をスペインの土地、とする)を交わす。要はアメリカはスペインのもの、アジアはポルトガルのもの。これには教皇が大勅書を発行して神の承認というお墨付きまで付けた。なんじゃそりゃ。ちなみに1506年に廃止。

奴隷を運ぶのではなく、現地でサトウキビを栽培するプランテーション農業が誕生。サトウキビは高価だが人手がかかる。奴隷利用にうってつけ。大きな利益を生む。

1498年にはヴァスコ・ダ・ガマ喜望峰経由でインドに到達。ポルトガルはアラビア、インド、インドネシア、日本にまで入植。1509年にオスマン帝国の艦隊に圧勝して海の覇権を握る。

中南米ではスペインが侵攻して疫病を流行らせ、奴隷を酷使し、殺戮の限りを尽くした。先住民は200万人から1億人死亡。でもその内9割は実は疫病。

1520年、とうとうマゼラン(の一行)が世界一周。ポルトガルが海に進出してから100年も経たず。

 


宗教改革とスペインの没落

神聖ローマ帝国皇帝カール5世=スペイン王カルロス1世。スペインが最強だったが、その他の国々はスペインがヨーロッパの覇者となるのを食い止めたかった。

各国の繁栄は海運力に依存。木材が最重要物資だったが1520頃にはすでに不足。スペインには良い木は生えていなかった。スペインはライバルが木材を手に入れられない様、ヨーロッパの北と南を統合する戦いを繰り広げるが、損害大きく衰退。

ローマ教皇庁の腐敗への不満は印刷技術のおかげで全土に広がり宗教改革へ。各国はこれを利用。プロテスタントを奉じれば神聖ローマ帝国に武力対抗することを正当化出来た。ネーデルランドデンマークスウェーデンプロテスタントに。フランスはカトリックプロテスタントの間で揺れて内戦。イングランドも17世紀まで揺れて内戦もし、最後はプロテスタントに。

この頃、カリブ海には各国の海賊出没。でも襲われる側から見た海賊も、本国に戻れば英雄。(え、そーなの?)

スペインの無敵艦隊イングランドネーデルランドに負ける。スペインはいち早く海外に帝国を築くも、軍備拡張と宗教戦争で力関係は塗り替えられて行った。スペインは海外で得た富を投資せず戦争に注ぎ込んだため最後は借金まみれ。1650年、30年戦争が終わり、ネーデルランド独立とスウェーデン領地拡張を認め、ヨーロッパ北部の覇権確立を断念。この時、ヨーロッパでは国家に主権を認める国家体制が築かれた。(神聖ローマ帝国教皇は口出し出来ず)

宗教戦争から逃れようとして清教徒が北米に続々入植。

 


米原産のジャガイモがヨーロッパで食料不足を解消。しかし、ヨーロッパで育てたのは4種のみだったため19世紀に疫病が広まって大飢饉になり、多数の人がアメリカとオーストラリアに移住。

 


三角貿易(アメリカから砂糖・タバコ・毛皮・木材をヨーロッパに運び、その資金でアフリカ人の族長が捕らえた別部族の奴隷を買う。奴隷の代金は銃や火薬で支払われたのでさらに多くの奴隷を捕まえられる様に。そして奴隷をアメリカで売る。)でヨーロッパに富を蓄積。

人口も倍増。ルネサンスがイタリアからヨーロッパ全土へ。植民地の農作物がヨーロッパの生活を変え、科学も進歩。

 

137億年の物語⑥

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本

137億年の物語

の紹介の続き。古代史その5(ラスト)です。


中国の発展

紙は100年頃中国で発明されたが、その製法は600年以上も秘密とされてオリエント、ヨーロッパには伝わらなかった。中国文化は紙が支えた。書物・官僚制度・ペーパーテストによる人材登用など。さらに木版の印刷技術も発明。ちなみに活版印刷は1450年頃のグーテンベルクよりずっと前、1040年頃に中国で発明済みだったが文字数の多い漢字では普及せず。1000年頃には紙幣も発明。(ヨーロッパで紙幣が生まれたのは1661年)

100年頃に羅針盤、850年頃に火薬を発明。

1000-1200年頃、気候変動でユーラシアステップの環境が厳しくなり、モンゴルの遊牧民が侵略者に。丁度1200年頃にチンギスハンが長となって気候変動で苦しんでいたモンゴルの部族を統合。チンギスハンの能力もさることながら、団結して他国を侵略しなければ生き残れない、という環境・タイミングがあったればこそ。中国の北部王朝を攻めたときはイスラムの攻城兵器を利用。中国北部の次はイスラムの東、ロシア、中央アジア、中国東南部、と史上最大の版図。

ヨーロッパを攻めなかったのは、これから攻めようというときにたまたま王が落石で死んで、指導者が呼び集められたから。それがなければまず征服されてた。その頃のヨーロッパは病気と飢饉と戦争で疲弊した中世。マルコポーロが見た中国は、この大繁栄したモンゴル族王朝の元。

 


1200年頃にはイスラムは世界の文化の中心に。アラビア数字の算術、代数学、医学、光学、天体観測機、ギリシア文明はイスラムで保存。イスラムは中国からも紙の製法、羅針盤、火薬などの技術を取り入れて科学を進化させた。それらが中世でくすぶってたヨーロッパに十字軍で逆輸入されて大航海時代へ。

 


中南米では5000年程遅れて農業開始。独自の文化を築いたが、馬などの大型動物がいない、という致命的なハンディがあった。

大型哺乳動物(馬とか牛とか)がいない→軍事力の大きな差なし。家畜がいないのでトウモロコシなどの作物だより=雨乞いの方が重要。伝染病に免疫なし→車輪発明されず。硬い鉄も発明されず、柔らかい貴金属で主に信仰用。天然痘で人口4割減→西洋文明にすぐに滅ぼされた。


次は近代です。

137億年の物語⑤

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本

137億年の物語

の紹介の続き。古代史その4です。


500年頃2700万人だったヨーロッパ人口は150年後には1800万人に激減。経済も破綻。

中国の漢がモンゴルのフン族を退け、フン族ゲルマン民族を襲い、ゲルマン民族がローマを襲うドミノ倒し。さらにペルシア、イスラムからも攻め込まれる。イスラムからの首都侵略を免れたのは、たまたまそのときイスラムで飢饉が起きたため。これがなけれはヨーロッパのキリスト教世界は大打撃を受けていた。

泣きっ面に蜂で火山も噴火して気候変動も激しかった。

350-750年のヨーロッパは不遇の時代。800-1300年頃は温暖化&ちょっと復活。カール大帝教皇が協力して統治。封建制を導入。その結果、地方領主が領地を支配する構造に。

 力を増したヨーロッパはイスラムへ侵攻(十字軍1100-1200年)。でも200年にわたって大失敗。第一回遠征はイスラム教と市民を虐殺。第二回遠征ではユダヤ人大量虐殺。でもキリスト磔の復讐として正当化。第三回はイングランド王、フランス王、神聖ローマ帝国皇帝という面子で進軍するも、ローマ皇帝は川で溺死、フランス王は赤痢で撤退。イングランド王は自軍だけで勝ち目がないので休戦協定を結んで撤退するが、帰る途中で王位を巡るいざこざで、新たな神聖ローマ皇帝の捕虜になり、歳入の二倍の身代金を払って解放されるも5年後に戦場で受けた矢傷が元で死亡。第四回はエルサレムに近づきもせず、ビザンツ帝国コンスタンティノープル、そもそも十字軍の支援を求めたキリスト教住民の都を襲い、略奪・虐殺。おいおいひでーな。唯一の成果はローマ崩壊と中世の混乱で失っていたギリシア科学を再び手に入れたこと。

その後、人口が増えたヨーロッパは小国同士の内戦状態が続く。(100年戦争1300年)

でも増えた人口を支えられず、食料不足に。道徳や秩序はなく、子供達は捨てられた。ヘンゼルとグレーテルの話はこの時代の話。平均寿命は1276年で35歳だったのが1325年には23歳に。うわひどい。黒死病が中国から入り込む。更に疫病に罹った兵士の死体を投石機で市内に投げ込む、というテロ戦術のせいで大流行。3年間で総人口の半分4000万人が死亡。都市では7割の人口が失われることも。1348-1375年の平均寿命は17歳!

人口が激減→戦争の方法変化(人員育成に手間のかかる弓兵隊から銃と大砲へ。)→封建制と騎士道の衰退。

1500年頃まで繁栄してたのはむしろイスラムと中国。ヨーロッパで唯一栄えたのはイタリアだが、それもイスラムの交易拠点網の一つに過ぎない。コショウ取引価格もイスラムに支配され、大半の利益はイスラムへ。しかもイタリアの繁栄は一部商人に限られたので他国の嫉妬を買いまたヨーロッパ同士で戦争(イタリア戦争)。

1500年代前半、オスマン帝国はエジプト、ハンガリーに侵攻してウィーンを包囲。たまたま猛烈な寒波が来て助かった。(元寇っぽい。二回も天候に救われた)

しかしキリスト教の腐敗はひどい。ローマ教皇が数世紀にわたって教皇領を治めてた(私兵を雇い、協会を通じて税を取り、王や皇帝を任命)が、その根拠としていたコンスタンティヌスの寄進状(コンスタンティヌス1世西ローマ帝国ローマ教皇に委ねた証書)が、これが偽造だったことが発覚。おいおい…

実はフランク王国のカールを皇帝にしたのもこれが根拠。マジかよ。偽書と指摘されたのが15世紀で決着したのは18世紀。グチャグチャだな。

中世のヨーロッパは政治・思想もバラバラで対立し、周囲は過酷な自然や異民族に囲まれて閉塞状態。そんな中、海の先に夢を求め始めた。最初は1450年頃のポルトガルエンリケ王子。10年間に15回の挑戦でアフリカを越えてサハラ砂漠に到達して要塞を作り、イスラムの仲買人を経由せずアフリカの奴隷と黄金を輸入出来るようになり、莫大な富を得る。この戦略はヨーロッパ中に広がった。

 

次は中国。

137億年の物語④

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本
137億年の物語
の紹介の続き。古代史その3です。

ローマはモノマネが得意で乱暴な民族が築いた帝国。後半は如何に広大な領地と権力を維持するかに苦労。そのうちの一つの手が貧民と奴隷を土木工事に駆り出し、富裕層が楽しむ施設を作らせるというもの。特に水道に注力。例えば50キロの距離で高低差たった17mといった高度な技術も。その間には長さ275m高さ50mの水道橋も。すげー。
ローマは水道や雨どい、鍋釜まで鉛を多用。その結果、鉛中毒がはびこるがローマ人は気付かず。ローマ人の骨には鉛が他の時代の10倍含まれている。鉛中毒は精神異常ももたらす。ローマ皇帝が精神異常をきたしていた証拠は多数あり。へぇ〜。
ローマ時代の中、キリスト教出現。ローマの支配が抑圧的で精神性に欠けてたところを貧民向け宗教のキリスト教が埋めた。ローマは最初、キリスト教を迫害してたたけど、300年頃、無理と諦めて後に国教へ。これがキリスト教が普及した最大の転機。
しかもその後ローマはキリスト教以外を弾圧。なんじゃそりゃ。
(しかし、あんな難解&嘘臭い宗教がよく普及したよな…。難解が故に一部階級に独占出来たってのが強いのか。仏教も最初の姿から随分変わって複雑化&仰々しくなっちゃったし。それらに比べてイスラム教のシンプルなこと。そりゃ普及するわ。)

ローマの基本構想は富める支配階級の際限無い欲求を満たすためにひたすら経済成長を求めたというもの(今とあんま変わんない気がする)。敵国の技術や思想を取り込み、貧民を兵士にしたり土木工事に使って押さえつけ、市民を見世物や宣伝で支配。戦争で他国の財宝を得られなくなったら銀や鉛など地下資源を利用。そして少数派に過ぎなかった宗教を乗っ取って国教とし、他の宗教を徹底弾圧。こうして崩壊を引き延ばしたが、ゲルマン民族やモンゴルのフン族の来襲、鉛中毒、疫病(ペスト)、などが重なって滅亡。
以降、ヨーロッパは1000年位苦しむ。

次はその詳細です。もうグチャグチャ。この時代のヨーロッパに生まれなくてよかったと心底思う。

137億年の物語③

子供が中学生か高校生になったら読ませたいと思ったおすすめ本
137億年の物語
の紹介の続き。古代史その2です。

中国の繁栄の原動力は米と絹と鉄。中国文明は唯一現存する古代文明
米は単位面積あたりの栄養価が最も高い作物。更に水田の水が害虫を食べてくれるカエルを呼んだり、他の雑草を防いだり、水を張るたび土壌を蘇らせる。中国・インドなどアジアの人口が最大なのもそのため。
紀元前2500年頃、中国で発明された絹は3000年間も中国に富をもたらした。その製法は極秘で、西洋に持ち込まれた(盗まれた)のは西暦550年頃。しかもそれを得たビザンツ帝国も門外不出にして、西洋に広く伝わったのは1200年頃。
紀元前500年頃、溶鉱炉を発明。鉄の農具によって荒地を耕せるようになり、農業も飛躍的に進歩。西洋の鋳造技術が追いつくのはその1500年後。

仏教が普及したのはインドのアショーカ王が広めたから。

栄養価が高く、保存可能で痩せた土地でも育てられるオリーブのおかげでギリシアは余裕が出来、更に生活必需品を全てオリーブの交易で得るため文化の交流が盛んに。その結果、科学や民主主義が発展した。

ギリシア文化をアレクサンドロスが大遠征で東西世界に広め、ローマに受け継がれた。旧約聖書ギリシア語(当時の共通語)に翻訳されたのもこの時。ここで翻訳されなければ世界に広まることはなかった。

 

次はローマについて。